起業に失敗し、失踪
これは私の親戚に関する借金の話です。
私の親戚は、以前は一般の会社員として働いていたそうです。 しかし、会社の雰囲気が合わなかったのか、本人の夢が別にあったのか、40歳を前に退職をしてしまったのです。
そして始めたのがペットショップです。 現在であれば一般的な職業だと思いますが、30年ほど前の話ですので先見の明があったと言えます。
しかし、開店した場所は北関東の都市でした。 今はどうか分かりませんが、当時犬猫の類はその辺の家で飼われており、勝手に子供を産まれて困る家が多かった時代です。
わざわざ血統書付きの高価な犬猫を購入しようという人は、少なかったと思います。 こうして日を追うごとに資金繰りは悪化し、いつしか親戚中に借金の金策に走っているという話が漏れ伝わってきたのです。
しかし、金策に失敗し、親戚は店舗と犬猫を全て売却すると、多額の借金を残して失踪してしまいました。 話によると、1億円にちょっと足りないくらいの金額だったと聞いています。
実はこの話、親戚の恥部としてあまり語られない話でした。
最終的に借金を清算
私もその存在を知らなかったのですが、先日大叔父が亡くなった時に弔問に現れたのです。
そして近況を聞くと、あれから各地を転々としながらも色々と働き借金を返済していたとのことです。 しかし、額が額だったので、専門家に依頼をして自己破産という形で借金を清算したそうです。
そしてその一部始終を、連帯保証人である別の叔父は知っていたそうなのですが、親戚を信じて何も言わずに見守っていたそうです。 てっきり自ら命を絶ってしまったのではないかと噂されていただけに驚きの再会でしたが、こうして陰で頑張っていたと知って少しだけ感動しました。
人間色々なことに挑戦することは大切ですが、失敗することは必ずシミュレートしないといけません。 こうしたリスク管理を怠ると、親戚のようになるのだなと思いました。 ちなみに私は借金はしたことはありません。